語彙が豊富な人と貧しい人、どちらが得でしようか。もし語彙力以外はほぼ同じ能力の2人が最終面接に残っていたら、面接官はどちらの人を選ぶでしょうか。十中八九、語彙が豊富な人を採用するでしょう。
これはビジネスに限らず、あらゆる場面において言えることです。多くの人の中から選ばれる対象になるために、語彙力の強化は必須分野と言えるでしょう。語彙力が上げることで、コミュニケーション能力が向上し、対人関係が良好になるからです。語彙力の強化は、結果的に人生を豊かにするための武器となることでしょう。
では、どうすれば語彙力を鍛えられるのでしょうか。まず、一人で出来る方法を紹介します。なにも特別なことをする必要はありません。日常生活の中で、語彙力強化の機会はたくさんありますし、隙間の時間にやれることもたくさんあります。
例えば新聞をゆっくり読む。いつもは情報を得るためにさっと読んでいる新聞を、語彙や表現に着目して読んでみると、記者の言葉の使い方に気付くはずです。
新聞記者は難しい問題や事件を、あらゆる年齢層の読者にわかりやすく説明する必要があるので、さまざまな言葉選びに長けています。毎日読む習慣がない人も、語彙力強化のために読む習慣を付けましょう。
同じく読書も語彙力強化に有益です。さまざまジャンルの本が存在しますが、作家の個性が色濃くでるファンタジーやミステリーなど創作小説がおすすめです。小説家は言葉を操る天才たちです。あらゆる言葉を使って、表現力豊かに物語に引き込むテクニックをもった彼らは、語彙力を強化する上で最高の先生と言えるでしょう。
やはり、人との会話の中でも語彙力に磨きをかけましょう。頭の中に語彙がいくらあっても、会話で使えなければ意味がありません。英語と同じで、いくら教科書的勉強を頑張っても、実際に使ってみなければ話せるようにならないのと同じです。
人によって伝わりやすい語彙や話し方が違うので、相手の話をよく聞き、語彙を選びながら真剣に会話してみましょう。なんとなく会話していた時には気がつかなかったことをたくさん発見するはずです。その人をよく観察することで、性格や趣味、今どんなことに興味があるのか、などを知ることができるからです。
語彙が増えただけでは、伝え上手にはなれません。ともすると、語彙が増えたことを鼻にかけた、自慢気な話し方に捉えられかねないので注意しましょう。
コミュニケーション能力は、ビジネスにおいても欠かせません。自分の意見を的確かつ簡潔に相手に伝え、相手からの要求や意見をしっかりと理解して、またそれに対して答えるというキャッチボールがスムーズにいくと、ビジネスも順調に運びます。伝える力とは、自分の言いたいことを頭の中でしっかり整理して、語彙を用いて相手に分かりやすく提示する力と言えるでしょう。
語彙力を鍛えて、コミュニケーション力もアップして、伝える力も身に付けた。
さぁ!伝え上手になれるでしょうか。間違いなく、今までより確実に伝え上手でしょう。
ここにさらに、空気を読む力、相手を気遣う力、笑顔が加わると最強です。いくら言葉巧みに会話ができても、空気を読まずに、相手を気遣わずに、無表情にでは、会話の質は残念に終わってしまうからです。会話は楽しくないと続きませんし、ビジネスの次の機会にも繋がりません。ビジネスにも活かせるこれらの力を身につけることで、今よりもっと楽しい毎日が送れるはずです。
語彙力の強化や伝える力をつけるテクニックについてご紹介しましたが、最後はやはり相手がどんな人なのか、どんな事に関心を持っているのかを知ることに極まります。口先だけでどんなに上手いことを言っても、どこか薄っぺらに感じる人と、一言に真実味があり真摯に感じる人とでは、大きな違いが生まれます。やはりその人が日々何を思い、どんな毎日を送っているのか、これまでどんな人生を送ってきたのかに興味を持っているかがにじみ出るからだと思います。会話のテクニックも重要ですが、小手先だけの心のないコミュニケーションでは相手の信頼を得られない、ということも覚えておきましょう。
メールやチャットでのやり取りが増えて、顔を合わせて会話することが減った現代ですが、大事なことを伝えるときはプライベートでもビジネスでも、会って話すことが大事だと思います。文字だけでは伝わらないことがたくさんあるからです。声のトーンや表情、話し方、身振り手振り、相手との間などの空気感。口と耳以外に、肌で感じることもあります。
語彙力を鍛えて伝える力を身に付けたら、どんどん人との会話を楽しむようにしましょう。