副業から起業するなど、これから事業を始める方は、ある程度の金銭的なリスクがあることを意識しておく必要があります。初めから失敗した時のことを考えても仕方がない、と思われるかもしれません。それでも、あらかじめお金が全く無くなってしまった時の対処方法や相談先を知識として知っておけば、最悪の事態だけは避けられます。また、いざとなったときは相談できる、ということを覚えておけば、ある意味安心して仕事に打ち込めるのではないでしょうか。今回は、本当にお金に困ったときに相談できる窓口や、対処方法についてご紹介いたします。
事情があって働くことができない場合、最低限の生活を維持するために税金から現金を支給する制度です。生活保護を受けることで、収入基盤を再構築するまで生活を続けられるようになります。生活保護には、生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助など、目的に合わせてさまざまな種類があります。生活保護を受給するためには、住んでいる地域の福祉事務所で申請が必要になります。生活保護担当の職員との面談や生活調査を経て、生活保護が本当に必要と判断された場合、支給が開始されます。支給される額は、住んでいる土地や物価、世帯収入などの細かな取り決めに沿って決定されます。また、その他の法律や行政による給付制度との併用は出来ません。さらに、受給中は資産活用、自動車の運転、転居などに制限が掛かるなど、デメリットもあるので注意が必要です。
さらに詳細を知りたいという方は、厚生労働省の生活保護のホームページを参考になさってください。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html
持ち家などの財産を所有しているままでは、生活保護を受けることはできません。住む家はあるけど生活費がない、という場合は、生活福祉基金を活用することで、生活費を借りることができます。生活福祉資金は、家などの不動産を担保に、年1.5%と非常に低金利で生活費を借りられる制度。住んでいる地域の社会福祉協議会にて申請手続きが必要です。
貸付の条件となる対象としては、以下が挙げられます
2人以上の世帯なら、条件にもよりますが、最大20万円までの生活費支援が受けられます。事情があって生活費は足りないが、家を失うのは避けたいという場合、ぜひ活用を検討しましょう。
さらに詳細な条件は、社会福祉協議会のホームページを確認しましょう。
http://www.shakyo.or.jp/seido/seikatu.html
借金の返済によって生活費が圧迫されている場合、まずは借金自体を整理する必要があります。借金の整理には専門的な知識が必要になる場合があるので、弁護士や行政書士、司法書士など専門家に早めに相談するようにしましょう。自治体で定期的に開催されている、無料法律相談会などを活用すれば、お金が無くても専門家に悩みを相談できます。相談先を見つけるのが難しい場合は、各県に1ずつ設置されている法テラスに相談先の紹介を相談してみましょう。法テラスでは初回無料での弁護士相談や、弁護士費用を法テラスが一旦建て替えるサービスもあります。
仕事がなくなって、住む家がない場合、次の仕事が決まるまでの住居費用が支給される制度です。支給されるのは住居の費用だけなので、生活費は失業保険の給付などで補う必要があります。支給期間は最大9カ月で、その間に再就職先を探すことになります。生活保護などと異なるポイントは、対象が「失業中で、仕事があれば働けるが住む家がない」人であること。住居確保給付金は使うタイミングが非常に限定されますが、覚えておいて損はありません。
極端な話ですが、住む場所と食べるものがあれば、最低限生きていくことができます。住む場所はあるが食べ物を買うお金が無くて困っている場合は、「フードバンク」などの利用を検討しましょう。フードバンクとは、事情があってそのままだと処分される予定の食品・食材を、必要とする人々に再分配する活動のこと。支給を受ける側は食品を確保でき、企業などは食品の廃棄コストなどを削減できるなど、双方にメリットがあります。賞味期限が1カ月以上余っている食品か扱わない、などのルールがあるため、安心して利用できます。また、キリスト教の教会などでは、定期的な炊き出しなどを行なっている団体があります。実施している場所や日時はまちまちで、広報していることもあまりないため、ある程度の情報収集が必要となるでしょう。
今回ご紹介した制度は、いずれも税金などから支給されるものです。当然、誰かが負担しているということになります。そのため、受給や貸付を受けている期間中は、可能な限り生活を見直すなど、いち早く自立した生活に戻れるよう努力しましょう。また、交通事故や会社の倒産、病気など予期せぬ事態で生活苦に陥らないための予防策として、普段から副業で複数の収入源を作っておくことも意識しましょう。