「いつまでもあると思うな親と金」という言葉を耳にしたことがありますか?自分の親にはいつまでも元気でいてほしいものですが、突然、介護が必要になることがあるかもしれません。まだ元気だからと先延ばしにせずに、親の介護に向けた準備しておきましょう。
親が病気やケガなどがきっかけで介護が必要になった時、あなたはどうしますか?親が障害や、認知症になった時、ほとんどの人はどうしたらいいか分からずパニックになることでしょう。介護が必要な状態になって、要介護認定を受けると、公的な介護保険を利用することができます。介護保険で受けられるサービスは要介護度によって内容も料金も異なります。また、介護サービスの利用の仕方は複雑な上、年々改正されていきます。
現行の制度を調べ、早くからバリアフリーのリフォームをしても、実際使う時には情報も設備も古くなってしまいます。本当に必要なことは何か、親が元気な内にしておきたい7つのポイントをご紹介します。
介護が必要になる前に準備しておきたいことは下記の7つです。
介護が必要な状態になった時、介護する側の意見で決めがちですが、介護される当事者である親の意見も大切にしたいものです。最後まで家で過ごしたいのか、子どもやお嫁さんに気兼ねせず介護施設で過ごすのか、親の思いに沿った介護をするためにも、元気な内にそれとなく聞いておきましょう。
両親のどちらかが先に亡くなった後、どうしたいのかを確認しましょう。
今の家に住み続けるのか?子どもと同居するのか?
子どもが複数いる場合、誰と住みたいのか?介護施設に入所するのかどうか?
パートナーがいなくなるのを考えるのは寂しいかもしれませんが、大事なことなのでシュミレーションしておきましょう。
介護保険サービスとは別に、自治体独自の介護サービスを行っているところがあります。
どんなサービスがありどんな場合に利用できるのか?それは有料なのか無料なのか?などを前もって調べておきましょう。使えるサービスの有無によって、どの程度まで介護できるのか、親の介護プランのイメージをつかみやすくなります。
突然、親が話のできない状態になることも想定して、いざという時に慌てないために、銀行通帳や証券類など重要書類の保管場所を聞いておきましょう。エンディングノートを書いてもらい、家族共有で置き場所を決めておくのもいいですね。
介護が必要だけど、費用がなくて家族で共倒れに…という話は他人事ではありません。親にお金のことを聞くのは気がひける方もいらっしゃると思いますが、大切なことなので元気な内に確認しておきましょう。
介護が必要になった状況では、意思疎通が難しくなる場合もあります。お墓はどうするのか、お葬式はどういう風に行いたいのかなどを、親の希望を元気な内に聞いて把握しておきましょう。
大人になっても、帰省の際の交通費やお祝いなどの名目で、親からお金をもらうことがありますね。そのお金の一部を介護費用として貯めておくのはいかがでしょうか?親に使わなかった場合は、ご自身の介護費用として貯めておけるのでオススメです。
「いざとなれば介護保険があるから大丈夫。」と、親の介護費用について考えたことがない方もいらっしゃることでしょう。要介護度によっても異なりますが、すべて公的な介護保険でまかなうことは難しいと言えます。生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる費用の平均は、月5万7千円で、介護期間の平均は4年9カ月です。 約5万7千円×4年9カ月で計算すると、総額は326万円になります。
(引用:生命保険文化センター「介護にはどのくらいの年数・費用がかかる?」)
親の老後に対する希望を踏まえて、子どもが準備できることはいろいろあります。介護制度を活用するための相談先を探しておくのも大事なことですが、介護費用を確保することも、大切な介護準備のひとつです。銀行の預貯金で貯えておくのもいいですし、万一に備えた民間の介護保険付きの保険に加入するのもいいですね。要介護になった時に給付金が支給や、要介護状態にならずに亡くなった場合でも、死亡給付金として遺族に支払われるタイプはオススメです。平均介護費用を基準して、一人当たり年間300万円を目安に確保しましょう。
親の介護はいつ必要になるかわかりません。親が元気な内に介護についての希望を聞いておくことと、親も子も介護費用を貯えておくことが大切です。介護が必要になった状況をシュミレーションして、普段から親と本音で話し合える雰囲気を作り、明るい介護を行えるよう60代までにしっかり準備をしましょう。