人はメンタルが弱っていると、ささいなことでイライラしてしまいます。町を歩いていて他人とちょっと肩がぶつかっただけでイライラしたり、子供の騒ぐ声が聞こえるだけでイライラしたり。そんな人にはメンタルコントロールが重要です。メンタルを鍛えていれば、他人のささいな言動に腹を立てることもなくなるでしょう。メンタルはどのように鍛えていけばいいのか、ご紹介していきます。
たとえば仕事でミスをして上司に叱られたとき、あなたはどんなことを考えますか?
次からは失敗しないようにしよう、ミスをしてしまった原因を修正しよう。そう考える人が多いはずです。もちろんなにを感じるかは人それぞれなので、これが正解というものではありません。しかし、メンタルが乱れている人は、こうした場合にもイライラした感情を抱いてしまうのです。なんで自分ばかりこんな目に遭うのだろう。あの上司は本当にムカつく。こんなふうに感じてしまう場合は、あなたのメンタルが乱れているサインです。本当に上司がイヤな人であなたを個人的にいびっている場合などは除きますが、明らかに自分のミスで叱られているのに相手に対してイライラしてしまうときは、メンタルの弱さが原因となっていることが多いのです。
メンタルが弱っているときに感じるイライラは、自分の理想と実際に置かれている現実の立場にギャップがあるときに引き起こされます。自分はもっとやれるはずだと思っていても、現実には仕事がうまくいかず上司に叱られると、「こんなはずじゃない」という思考から「自分が本来持てる力を発揮できていないのは上司のせいだ」という他人に対する不満につながってしまうのです。これを防ぐためには、自分の理想を高く設定しすぎず、今目の前にある現実を受け入れることが大切です。これは卑屈になるということではありません。自分の持っている本来の能力よりも自己評価が高すぎただけなので、それを修正してあげるのです。そして今いる自分の立ち位置から、理想に向けて努力していく思考に切り替えていくことが大切です。
適度に運動を行うことは、体を鍛えるだけでなく、メンタルにも大きな影響を及ぼします。その秘密は、セロトニンという脳内物質です。セロトニンにはノルアドレナリンやドーパミンなどが過剰に働いてしまうことを抑制する働きがあり、精神を安定させる役割があると言われています。セロトニンを分泌するには、日光浴とリズム運動が有効です。セロトニンは太陽の光を浴びてから5分ほどで活性化し、脳や自律神経の働きを活発にしてくれます。一方、リズム運動は20分間行うとセロトニンが分泌されていきます。リズム運動とは簡単な動作を繰り返し行う運動のこと。セロトニン分泌のためには、日光浴と合わせたウォーキングやランニングがおすすめですね。
セルフトークとは、自分自身に向かって話しかけることです。一種の暗示のようなものですが、このセルフトークは意外と身近に行われていることに気付いているでしょうか。たとえば、電車に乗っているときに赤ん坊の泣き声が聞こえてきたとしましょう。そのとき、「うるさいな」とつい口に出してしまいました。すると、電車の中では線路を走る音や他の乗客の話し声などたくさんの音が聞こえているはずなのに、赤ん坊の泣き声だけがやけに気になってしまうものです。これがセルフトークです。自分自身に向かって「赤ん坊の泣き声がうるさい」と話しかけることによって、よりいっそう泣き声がうるさく感じられてしまうのです。これをメンタルコントロールに利用するにはどうしたらいいか分かりますか? 先ほどの例と逆のことを行えば良いのです。勉強中に物音が聞こえてきても、「うるさいけど集中するぞ」と自分に向かって話してみてください。イヤなことがあっても、「次はきっといいことがあるさ」と自分に言い聞かせてみてください。仕事に失敗して怒られた後は、「次からはミスをしないぞ」と自分に誓ってみてください。きっと、前に進む元気が湧いてくるはずです。
メンタルの弱さはさまざまな場面でマイナスに働いてしまいます。ささいなことでイライラしてしまう他にも、重要な会議になると不安でいっぱいになってうまくしゃべれない、気になる異性といっしょにいても失敗を恐れてぎこちなくなってしまう。そうしたことを克服するために、メンタルコントロール術が重要になってくるのです。ここではセロトニンを分泌することと、セルフトークで前向きに考える術を紹介いたしました。他にも、お風呂上がりに瞑想をしたり、物事を行う前にイメージトレーニングをしたり、精神をコントロールする方法はたくさんあります。あなたもメンタルコントロールに取り組んで、イライラしない自分を作り上げていきましょう。