職場や家庭など、人生にはたくさんの問題が転がっています。それらの問題をそのままにしておくのと、ひとつひとつきちんと解決していくのとでは、その後の人生も大きく変わってきます。職場において問題を解決する能力がある人は、当然ながら重宝され評価もされます。問題解決の実績が増えるに従って、キャリアもあがっていきます。これはたとえば“副業”においても同じことが言えます。問題解決志向となることで、事業もうまく運び、すべてがプラスの方向に運びます。ここでは、トラブルが発生した時に使うべき「問題解決の8つのステップ」を紹介します。
まずは問題を明確にするために、解決すべき問題テーマを“重要度”、“緊急度”、“拡大傾向”の3つの視点から選びます。この時のポイントは“想い”ではなく“数字”データで問題を捉えること。ドライに数字で判断し、定量化することで問題が明確になって事の重要さも共有できます。それぞれの問題の抽出の仕方は次のとおり。“重要度”は問題が及ぼす範囲と大きさ、“緊急度”はすぐに手を打たないと一体どんな影響があるのか、“拡大傾向”はこのまま放置しておいたらどれだけ不具合が拡大するか。これらをできるだけ数値化して、問題点をより明確にしましょう。
次に現在の状況を把握します。「層別」で問題を分解して、解決するのにテコ入れをすべきところを見つけます。これも可能な限り、数値やデータを使って多面的な切り口でとらえるようにしましょう。問題の特定が難しい場合に有効なのが「三現主義」です。“現地”、“現物”、“現実”、この3つの“現”を見て物事をとらえます。たとえば、不良品が作られる工程(現場)を見て、不良品そのもの(現物)を確認して、不良品に起きている状況(現実)を把握します。この「三現主義」を徹底すれば、より正しい判断に近づけます。「三現主義」は、このような製品の不具合だけでなく、犯罪捜査や売上不振の解決といった問題などにも適用できる考え方。さらに、取り組む際は欲張らず、自力で解決できるような小さな問題(小枝)から大きな問題(幹)へと攻めることが効果的です。
現状を把握したら、いよいよ目標を設定しましょう。達成目標もやはり、具体的に数値で示すようにしましょう。ここで注意したいのは、安易な達成目標は設定しないこと。とても実現不可能を思われる目標を掲げるのではなく、2~3割増しの少し背伸びをしないといけないような目標を立てることが大事です。また、達成目標は“何を”、“いつまでに”、“どうする”の3つの要素で設定するようにしましょう。こちらも数値を設定できるとなおよし。定性的な目標は「KPI(目標達成のための業績指標)」を使って把握するのもおすすめです。
目標を設定したら、問題が起きる真の要因を突き止めましょう。「なぜなぜ5回」と言われるように、“なぜを5回繰り返す”ように、深く詳細まで「真因」を追求することが問題解決へつながります。更にここでも「三現主義」に基づいて事実との検証を行なうことでより、真の要因へと近づけます。
真因を突き止められたら、それをなくす対策案を出しましょう。まずは沢山の対策案を出して、①効果、②実現可能性、③コスト・工数、④リスク、⑤自己成長の視点から、より効果的なものに絞り込むべく、優先順位を決めていきましょう。
対策案を決めたら、素早く行動に移すことが大事です。スピードを下げることは、成功への妨げにしかなりません。スピーディーに実施して、進捗チェックで効果や影響を検証する。チームで目標に向かう場合は、無駄な動きを減らすためにも、各々が、報・連・相(報告・連絡・相談)を怠らないようにすることも大切です。
いよいよステップ⑦まできました。対策を実行した結果の、目標を達成できたかどうかをチェックしましょう。実行は定期的に区切って評価を確認するのが理想的です。達成できていればステップ⑧へ、できていなければステップ④に戻ってやり直し。この際、再現性をつけるべく、結果だけでなく「プロセス」を振り返ることがポイント。
最後のステップは成功を定着化させること。誰がやっても同じ成果を出せるようにしてこそ、「成功」と言えます。「たまたまうまくいった」では成功とはいえません。また、8つのステップを踏むのも、「成功」に再現性をつけるための取り組みでもあります。誰がやっても成果を望める、問題解決プロセスが再現されてこそ、初めて「目標達成した」と言えるのです。
もしトラブルが起こってしまったら、速やかに対処するようにしましょう。「どうしよう、どうしよう」戸惑っているうちに、被害がどんどん広がってしまい、収集が困難になってしまいます。速やかに、でもステップを踏んで対応することが成功の秘訣です。