どんな事に対しても一生懸命に向上心を持って取り組む姿勢は、誰もが尊敬し憧れるものです。常に完璧を求め努力する姿は、自分自身を高めるために必要、と思う人も多いかもしれません。しかし、場合によってはそうでもないようです。完璧主義の人が社会で成功する確率は実は低いと言えるでしょう。「完璧主義」の人が成功できない理由について、調べてみることにしました。
「完璧主義」の人は仕事を妥協することなくこなす、というイメージがあると思います。
適当でがさつな人と比べると、完璧主義の人の方が成功できるように感じてしまいますが、実は違います。
完璧主義の人が成功できない理由は、大きく3つ挙げられます。まず1つめは、失敗を恐れるあまり、決断や行動する場面で二の足を踏んでしまう傾向が強いこと。その結果大切なチャンスを活かせず、成功を逃してしまいます。2つめは、完璧を求めるあまり他人にも完璧を求めてしまうこと。そのため、人間関係がギクシャクすることも多く、協調性に欠けると評価されてしまうこと。3つめは、こだわるポイントが多すぎて、スムーズに仕事ができない「要領の悪さ」が目立ってしまうこと。「完璧主義」の人は自身の能力に関わらず、さまざまなことに完璧を求め過ぎることで、仕事をスムーズに進められない傾向にあるようです。
「完璧主義」の人の思考を簡単に表現すると、「100点以外は全て0点と同じ」という0-100思考と言えるでしょう。世の中には完璧な理想というものが存在していると信じています。常に完璧しか求めないために、完璧に物事を成し遂げることができないと判断した場合、途中で投げ出してしまう人が多いです。「完璧主義」の人は、自分に対してとても厳しいため、どんなことに対しても全力で取り組まなければいけないと思っている人が多いようです。しかし、自分に対する厳しさを、一緒に仕事している相手にも求める傾向が強く、敬遠されがちです。昔でいう職人気質の頑固者といえば、わかりやすいのではないでしょうか。あまりにも完璧を求めるため、自分自身を追い込んで精神的に病んでしまう人もいるほどです。
以下のチェックリストで、自分が完璧主義かを確認してみましょう。
いくつくらい当てはまりましたか?5つ以上当てはまったら完璧主義の可能性大です。
「完璧主義は成功できない!」を見直すために、適当ながさつさを身につけるための考え方を紹介したいと思います。
まず、これまでの物事に対する視点を少し変えてみてはどうでしょう。例えば、仕事を行なう時、何を目的に行うものなのかを考えて行動してみるのです。目的を確認できたら、その目的のために、どのくらいの完成度が必要なのかを客観的に分析します。
完璧主義の人の場合、結果だけではなくその目的に到達するプロセスまで丁寧に時間をかける傾向があります。ビジネスにおいては結果が優先されるため、プロセスを重視した自己満足な行動はあまり重要ではありません。いかに効率よく目的に到達できるのか、を考えて行動することが大切です。
がさつさを身につける、というと変な言い方ですが、「完璧主義」から脱却するために実践できることをご紹介します。
まず、仕事の作業に優先順位をつけること、そして作業に時間制限を設け、その時間内で精一杯のことを行なうようにしましょう。完璧ではなく精一杯です。時間内に行うべき作業を効率良く行なうためには、重視されるポイントと、あまり注力しなくてもよいポイントに分けましょう。そこを見極めることが大切なのです。この時間内で作業を終える、という実践方法は、完璧さを追求するのではなく、結果を優先した妥協点を見つけられるようになります。そうすると100%ではなく場合によっては70%で良いのだ、ということが理解できるかもしれません。また、そもそも自分が考えている「100%」とは、自身の実力や時間、費用の面からも実現不可能なものかもしれません。適度な「がさつさ」は、ある意味「分相応」な仕事の程度を見極めるのに役立ちます。
適度ながさつさは、私たちが快適に、そして豊かに生きていくためには必要な考え方です。「いつも完璧に仕事したい」「一番じゃなければ気が済まない」という思考は、状況によっては単なるエゴイズムでしかありません。ビジネス上では、周囲への軋轢を生むなど、さまざまな悪影響を及ぼしてしまう危険な考え方なのかもしれません。