「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」といったように、いくつもの仕事をかけもちすることはよくあることです。「この仕事は面倒だから明日やろう」といった安易な思考は、「明日やる」から「明後日やる」「明々後日やる」と延び、いずれはどんなにがんばっても終わらない仕事に。そして、積み重ねで取り返しのつかない致命的な失敗へ繋がることもあるのです。
人の脳は、物事を天秤にかけたとき、「楽」な方を選択する習性があるのだとか。
誰でも怠けたい気持ちは一緒なのです。しかしそこで、「楽」を選択するのではなく、「仕事を楽にする」思考回路にシフトすることが、あらゆる面での成功に繋がります。今回ご紹介する、ちょっとした心理テクニックを身に付けて、怠け癖を克服しましょう!
仕事へのモチベーションをあげる心理テクニックは、どんな仕事でも明確な目標を設定し、信念やビジョンを持って取り組むことです。例えば、複雑で面倒なプレゼン資料を依頼されたと仮定します。まず、この仕事を行なうことによって、どのようなプラス要素が生まれるのかを考えましょう。
このように、面倒な作業にも明確な「動機付け」をすることが、モチベーション向上に繋がります。また、ここでは重要な心理も働いています。それは、「他の人にも役立つ」という心理です。このように、「人のために」何かをやるということは、モチベーションを向上させるきっかけとなります。自分のためだけに作業をしていると思うと、終わらなくても困るのは自分だけだからと怠けてしまうもの。しかし、他の人が今後同じ作業をしたとき効率アップに繋がるという思考回路で取り組むと、モチベーションが維持できるのです。
溢れかえった仕事量。どれもこれも面倒だし、どの仕事から手に付けたらいいか分からない!
そんな時は、限られた時間を有効活用するために、しっかりと戦略を立てタスク管理をしましょう。そのために有効な心理操作テクニックが「重要性と緊急性のマトリクス」です。
まず、今やらなければいけないことを頭に思い浮かべ、「重要であり緊急である」「重要であるが緊急ではない」「重要ではないが緊急である」「重要ではなく緊急ではない」という4つの項目に割り振って書き出していきます。
もちろん一番優先的にやるべきことは「重要であり緊急である」仕事です。このように、今やるべきことを把握したうえで、優先順位をたて仕事に取り組むことは大変重要になります。ただ頭の中で漠然と考えているだけより、今ある現状を客観的に捉えることができるため、効率的に仕事を進められるのです。
どんな仕事にも納期があります。緊急性がない仕事もいずれ納期はやってきます。しっかりと納期を把握し、着手日を早めに設定すれば落ち着いて仕事に取り組むことができますし、時間に追われることなく仕事をこなしていくことができるのです。
追い込まれて慌ててやった仕事は必然的に仕事の質を落としてしまいます。チェックや修正に時間がかかれば、納期に終わることができないかもしれません。納品物の質を高めるためにも、余裕を持ったスケジュール管理で仕事に取り組みましょう。
怠け癖のある人は、実は完璧主義者であることが多いそうです。「完璧にできないなら始めからやらない」「どうせやっても中途半端になるくらいならやらない方がいい」といったように、諦める癖がついているのです。完璧主義者ゆえに不完全な状態が許せず、最後まで完璧にできない自分に嫌悪感を抱いてしまうのです。そんな人は、まず不完全な自分を受け入れることからはじめてください。仕事を完璧にこなすのは難しいと判断したら、上司や同僚に早めに現状を報告し、周囲の人に助力を求めることも大切です。そのことで、誰もあなたを批判しませんし、仕事の評価が落ちる訳ではありません。一番の最悪な事態は、仕事が終わらずクライアントやお客様に迷惑を掛けることである、ということをお忘れなく。
それでもやる気が出ないという人には、小さな目標をいくつも設定するという心理テクニックがあります。始めのハードルを低めに設定することで、目標を達成しやすくしてあげます。例えば「毎日1時間だけは集中してやろう」などです。小さな目標の成功体験を反復することは、大きな成功体験に繋がります。
明確な動機付けを設定したら、その目標が達成できている自分の姿を具体的にイメージします。
どんな些細なことでも構いません。これは「オペラント条件づけ」という心理操作テクニックで、仕事を達成できたことへの自分の報酬として、頑張れば何かいいことが起こるという条件を付けてあげるのです。そうすると、人は「仕事をする→いいことが起こる」というポジティブな思考で仕事に取り組むことができるようになります。
「怠けてしまいたい」という気持ちは誰にでもあるもの。自分はダメ人間だ!と決めつける前に、今回ご紹介したテクニックを実践してみてはいかがでしょうか。自分に負けて怠けてしまいそうになったときには、今回の記事を思い出してみてください。頭の片隅で心がけるだけでも、状況は少しずつ変わっていくはずですよ。この記事が、あなたが変わるきっかけとなれば幸いです。