近年話題となっているロジカルシンキングという言葉をご存知でしょうか。ロジカルシンキングとは前提と結論の間に筋道を立てて考えることができる「論理的思考」のことを指し、社会人が身に着けるべき重要なスキルのひとつです。販売や営業職に就いている方であれば、商品やサービスを紹介する際に分かりやすい説明を心がけることは基本中の基本。ロジカルシンキングのスキルを磨くことで、誰にでも分かりやすい明快な説明が可能になり、人に伝えることが得意になります。また、物事を論理的に考えると、最短時間で最高のパフォーマンスを目指すようになるため、仕事において精神的な余裕を持つことに繋がります。今回は、身に着けることで仕事を成功に導く「ロジカルシンキング」についてご紹介いたします。
まずは自分にどの程度のロジカルシンキングのスキルが備わっているのか知りたくありませんか。判断材料としていくつかのチェックリストがありますが、思いついたことをそのまま口に出すことが多い、人の話を聞くのが苦手である、感情的になることが多いという方は相手からすると突発的な行動が多いように見受けられ、ロジカルシンキングとは程遠く直感的に生きている方ではないでしょうか。ロジカルシンキングは生まれ持つスキルではないため、今の自分にはロジカルシンキングのスキルが備わっていないと感じた方はトレーニングで養うことができます。
「ロジカルシンキング」と聞くと、何だか難しそうだと感じる方が多いかもしれません。しかし、実は仕事の中で練習を積むことで、誰にでも簡単に身に付けることが可能です。
物事を論理的に考えることで、自分の頭の中でかみ砕いて理解できるようになり、他者に伝える時に分かりやすい説明ができるようになるためです。
分かりやすい伝え方を考えながら話すのと同時に、相手が話を聞いた時にどのように解釈するかを意識することが大切です。伝える力の向上は、商品やサービスの説明だけに効果を発揮するものではなく、社員同士のコミュニケーションや会議での発言などでも役立ちます。また、自分が伝えたいことを適切に伝えることができれば、相手が出す返答も自分の望んでいるものに変化していくでしょう。
ロジカルシンキングを習得したいと考えトレーニングを行う場合、どのようなことに気を付けるべきでしょうか。論理的な思考力を高めるためには、結論から話す、理由を考える、なぜそのような結果が出たのか分析を行う、など様々な方法があります。また、頭の中で考えるだけでなく、実際のデータを用いるための情報収集や、ターゲット全体をとらえて正しい分類に分けるMECE(ミーシー)の徹底により説得力が増すため、話の聞き手の納得度がさらに向上します。逆に納得度を下げる曖昧な表現を使用しないことを意識すると、より具体的な言葉を選んだ発言が可能になります。
このようなトレーニングを日々の業務や会話で考えながら実践することで、徐々に相手の感情を正確に捉えられるようになります。相手に何かを伝え、納得させることができるようになればロジカルキングが身に付いているという証拠となり、説得にかかる時間は大幅に短縮できるようになるはずです。
前述のようにロジカルキングには仕事の際に有利にはたらくメリットが多いですが、その反面デメリットもあります。相手の感情を論理的に捉えるロジカルキングは、相手の感情や状況の変化によっては通用しない場合があります。例えば、宝くじで1等に当選した人が1億円の豪邸を建てたインタビューの後に、宝くじの1等に当選する確率についてのデータを発表した場合、「宝くじで人生が変わった物語」は記憶に残りやすいですが、当選確率のデータはすぐに忘れてしまうでしょう。人間はビジネスにおいても、事実に基づいた数字より、感情に左右された物事の方が記憶に残りやすい傾向にあります。そのため、数字やデータの使用で論理的に話を進めるだけでは聞き手が納得するとは限らないのです。
ロジカルシンキングは、スキルアップや起業を目指す上で、相手を納得させる確率を上げるために活用できる有効なスキルです。日々のトレーニングによって身に付いた思考や言葉遣いは、目に見えない財産となりあなたのビジネスを成功に導いてくれることでしょう。